症状別コラム


こんにちは
福岡県の北九州にある、漢方相談専門店の漢方つむぎ堂です。

漢方では、気(き)・血(けつ)・水(すい)という3つの物質が互いに関係し合って、私たちの体を巡っているという考え方があります。この気・血・水がバランスよくスムーズに巡っていると、不調が気にならず健康です。
対して、何か気になる不調があったり、長年悩んでいる症状があったりする場合には、気・血・水のバランスが崩れていることが考えられます。この気・血・水がスムーズに巡ることが出来ない理由として、それぞれの量が多すぎ、少なすぎや質が良くないなど様々です。

今回はその中の、体の血(けつ)の不足【血虚-けっきょ-】についてご紹介です。
以前にも、血虚について触れていますので、よろしければそちらもご覧ください。
肌の乾燥、動悸、貧血気味・・・ それってもしかして、血虚(けっきょ)かも?

血虚と貧血

血虚とは体の血(けつ)が不足していることを言いますので、貧血と思われる方もいます。
もちろん、めまいや立ちくらみなど似たような状態が現れますが、実際は少し異なり、貧血は血液の赤色成分であるヘモグロビンという鉄を含むたんぱく質が不足した状態で、血虚の方が病院で検査をしても異常なしとなる事も少なくありません。
漢方における血(けつ)は単に血液を意味するのではなく、一緒に全身に送り届けられる栄養物質や血液の働きも含みます。つまり、血虚とは血液やその働き、血液中の栄養素が不足している状態をいいます。

原因と養生

では、なぜ血は不足するのか。いくつかありますが下記のことなどが考えられます。

①血を作るための食材が少ない
②寝不足、疲労、出血などによる血の消耗のし過ぎ
③血の原料を消化して吸収するための脾胃(消化系)が弱っている

こういった方におすすめの養生として、
①    ②が原因であれば、
睡眠等しっかり休息をとりながら栄養に富んだ血を補い、巡らせてくれる食材(黒きくらげ、レバー、牡蠣、あさり、竜眼など)を摂ると効果的です。23時までに就寝することで、血の造成が上手くいきやすくなります。
「血の倉庫」とも呼ばれる五臓の「肝」は、目と深い関係があり、目を酷使することで、肝の働きが悪くなり、血の不足が起こりやすくなるので目をしっかり休めるようにしましょう。

③の場合は、
血を補う食べ物を摂るよりも脾胃を元気にすることが先になります。
脾胃を弱らせる原因となる不摂生を見直して、脾胃の働きを助ける食べ物を加熱してとりましょう。
脾胃を元気に保つことは、夏には夏バテの予防にもつながります。
脾胃を弱らせる食べ物:脂っこいもの、甘いもの、味の濃いもの、生もの、冷たいもの
脾胃を養う食物:米、ナツメ、山芋、サツマイモ、かぼちゃ、にんじんなど

漢方流!脾胃の弱りチェック

漢方では舌の状態で身体の状態を予測する舌診(ぜっしん)というものがあります。
症状がない方でも、脾胃が弱り始めているかもしれません。

①舌苔の量をチェックしましょう。
舌苔の量は胃腸にたまった未消化物の量を表すと言われています。
食べ過ぎ・飲み過ぎで胃腸に負担がかかっているときや、胃腸が弱って消化機能が落ち、未消化物がたまっているときには舌の苔が厚くなります。

②舌苔の色をチェックしましょう。
舌苔の色は胃腸の熱の状態(健康な苔の色は薄い白色)を表します。
黄色い舌苔は「胃腸に熱がこもっているサイン」と言われています。
運動すると体が熱を持つように、胃腸も食べ過ぎ・飲み過ぎで胃腸が過剰に動かされたときや、胃腸が疲れた状態で無理矢理動かされ続けたときなどには、熱がこもり舌苔は黄色くなりやすくなります。

最後に

これらの養生を取り入れても調子が変わらない時は、漢方薬による体質改善がおすすめです。
血虚の方には、体の血を補う『補血(ほけつ)』の他に、血を貯蔵する肝の働きをサポートする生薬や、造血の役割のある胃腸の働きをサポートする生薬を含有した漢方薬を使うことが多いですが、体質によって使う漢方は様々です。

お気軽に漢方つむぎ堂にご相談ください。




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