生薬と養生の豆知識


春は肝が乱れる季節

進級や進学、または新社会人など、春は新しい生活がはじまる人も多い季節。一方で新しい生活リズムや環境になじめずに、5月の連休にかけて「五月病」といわれるように、気持ちがうまく整えられない人が増えてきます。 東洋医学では春という季節は五臓の「肝」が乱れやすい季節といわれています。 この「肝」はストレスに影響されやすい臓でもあり、環境の変化と季節の影響で、春は自律神経のお悩みやPMSなどのお悩みが増えてきます。

春の養生としてはこの「肝」の乱れを補い、解決していくことが大切です。春の養生についての詳細はコチラ

薬膳の食材「金針菜」-きんしんさい-

薬膳などで使われる食材に「金針菜」というのがあります。スーパーなどではあまり見かけないので、なじみのない方も多いと思います。「金針菜」は乾燥のものを水でもどして使う食材で、鉄分が豊富なので、貧血、鉄分不足の方などにも重宝されます。
この「金針菜」は別名「忘憂草」-ぼうゆうそう-とも呼ばれ、諸説ありますが、その花の美しさから憂いを忘れる、と名付けられた説と、ストレス軽減に期待が出来る、GABAを豊富に含んでいるからという説などがあるようです。
漢方的にみると、前述した「肝」の「血」を補い、「気」と「血」の巡りをよくしてくれる働きがあります。
高ぶった気持ちを静めてくれる効果があるので、春時期の「頭に血がのぼる」というようなカッカしたようなイライラ症状にもおすすめです。まさに「忘憂草」という名前どおりの効果があるのです。ただ、漢方食材としては「冷やす」効果の食材なので、春先のまだ寒い身体が冷えている時期には不向きです。かわりに、夏バテなど暑い季節の疲れなどにもよく摂られる食材です。

普段の食事に取り入れる

「金針菜」は、自律神経の乱れのような「気鬱」症状のほかに、夏バテや産後の母体回復や母乳の出が悪い人にも良いとされています。このように、ひとつの食材でいろいろな効能がいわれることは多いです。そのときそのときの悩みや不調によって、「〇〇ばかり摂る」ではなく、いろいろな食材をバランスよく摂っていくことが健康のための養生です。そして、自分の症状・体質にはどういう養生がよいのか知っていくことが大切なのです。

漢方つむぎ堂では「金針菜」などの食材をはじめ、身体に優しい自然食品の取り扱いも様々取り揃えております。普段の養生ではなかなか改善しないお悩みなどございましたら、漢方のご相談も承っておりますので、お気軽にお問合せください。

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